レイの初登場時は、冷徹で利己的なアウトローとしての姿が強調されていました。女装して野盗を油断させて皆殺しにし、報酬の食料を奪うなど、荒廃した世紀末を生き抜くための非情さを身にまとっていたのです。
しかし、その冷酷な仮面の裏には、胸に七つの傷を持つ男(ジャギ)に惨殺された両親の無念と、祝言の日に連れ去られた最愛の妹・アイリを奪還するという痛切な執念が隠されていました。長い放浪生活の影響で目の下には濃いクマが刻まれ、心を氷のように閉ざしていたレイの人生は、ケンシロウおよびマミヤとの邂逅によって劇的な転換を迎えます。
ケンシロウの圧倒的な強さと慈悲深さによってアイリが無事救出され、絶望で光を失っていた妹の視力が奇跡的に回復した瞬間、レイの心の奥底に眠っていた「義星」の資質が完全に覚醒しました。
連載当時から現在に至るまで読者の心を揺さぶり続ける名台詞「てめえらの血はなに色だーっ!!」は、集団暴力組織「牙一族」に利用され、人質として命を弄ばれた村人たちの無惨な死と、自らを犠牲にして村を守ろうとするマミヤの悲壮な決意を目の当たりにしたレイが、人間の尊厳を踏みにじる悪鬼たちへ叩きつけた怒りの咆哮でした。自らの利害を一切排し、他者の痛みと悲しみを一身に背負って激昂するその姿こそ、彼が背負う「義」という星の真の覚醒を象徴しています。