メインキャストを支えた脇役陣の層の厚さも、作品のクオリティを押し上げた要だ。西洋医学所の頭取・緒方洪庵を演じた武田鉄矢は、若い仁の才能を認めつつ、日本の医療の未来を託す包容力あふれる師匠像を好演。洪庵が最期に仁へ残した言葉は、シリーズ屈指の号泣シーンとして語り継がれている。
勝海舟役の小日向文世が見せた食えない食客的なユーモアと洞察力、佐分利祐輔役の桐谷健太が見せた泥臭い熱意、橘恭太郎役の小出恵介が演じた苦悩する若きサムライなど、一人ひとりのキャラクターが鮮明な記憶を残した。誰一人として妥協のないキャスティングが、幕末という激動の時代背景に説得力を与えていたのだ。