体格の決定要因を巡っては、長らく遺伝的要素と環境要素の相克が議論されてきた。身体人類学の最新知見によれば、個人の身長に占める遺伝の影響率は高いものの、集団全体の平均身長を左右する主因は環境にあることが証明されている。公衆衛生学の知見もこれを強く裏付ける。
例えば、かつて「世界一背が低い部類」に入っていた19世紀のオランダ人が、適切な社会保障と高品質な乳製品の普及によって今や世界最高の平均身長を誇るようになった事実は象徴的だ。環境や衛生状態、母子保健の質が劇的に改善されれば、現在低い水準にある地域でも急激な成長曲線を描く可能性が十分に秘められている。