かつて「完璧なスタイルと笑顔」を絶対条件としていたミス・ユニバース機構もまた、存亡の危機と向き合いながらドラスティックな舵を切っている。既婚者や母親、トランスジェンダー女性への門戸開放、さらには年齢制限の完全撤廃に至るまで、その改革スピードは保守的な観客を驚かせた。
背景にあるのは、エンターテインメント産業全体を揺るがす価値観のパラダイムシフトだ。もはやステージ上で水着を着てウォーキングするだけのショーは、現代の視聴者の共感を得られない。社会課題に対するオピニオンを持ち、自らの声で世界を動かせるリーダーシップがなければ、真のアイコンとは認められない時代が到来している。美の定義は、静止画としての造形美から、生身の人間の行動様式へと拡張されたのだ。