郵便ポストに手紙を投函する光景が、街中から急速に薄れつつある。ペーパーレス化の奔流と電子決済の普及は、郵便事業の収収構造を根本から破壊した。年賀状の取扱量はピーク時の半分以下にまで落ち込み、通常の封書や公的な通知すらデジタル化の波に呑み込まれつつある。
現場を支える配達員や窓口スタッフの人件費、そして全国津々浦々に位置する店舗の維持管理費は容赦なく膨らむ。売上高にあたる郵便料収入が激減する一方で、集配にかかる固定コストは削りきれない。この非対称な構造こそが、日本郵便株式会社を苦しめる赤字の根源だ。もはや単なる景気変動の波ではなく、不可逆な需要の消失という冷酷な現実に直面している。