本州出身の移住者や観光客が最も陥りやすい落とし穴が、「春先に行こうとしたらオープンしていなかった」というスケジュールのズレです。本州では1月〜5月が主流ですが、札幌近郊の路地栽培における本格的な収穫期は6月中旬から7月上旬のわずか3〜4週間に集中します。
この短い期間に道産子がこぞって農園へ足を運ぶ最大の理由は、北海道限定栽培のプレミアム品種「けんたろう」の存在にあります。北海道農業研究センターが開発した「けんたろう」は、大粒で鮮やかな光沢を持ち、糖度と酸味のバランスが極めて優れているのが特徴です。
「けんたろう」は果皮が非常にデリケートで傷みやすく、長距離輸送に耐えられないため、道外のスーパーにはまず並びません。つまり、完熟した最高糖度の果実を味わえるのは現地のいちご狩り園を訪れた人だけの特権です。近年はハウス栽培技術の進展により、北区の「とれた小屋ふじい」などで冬から春にかけて収穫できる「よつぼし」「章姫」などの多収穫品種も人気を博していますが、北海道ならではの力強い風味を堪能したいなら、6月中旬の露地シーズンを見逃す手はありません。