前田航基のキャリアは、2007年に実弟である前田旺志郎と結成したお笑いコンビ「まえだまえだ」から本格的にスタートしました。当時、兄の航基はわずか8歳(小学3年生)。『M-1グランプリ2007』で準決勝に進出するという最年少記録を打ち立て、バラエティ番組のみならずCMやドラマに引っ張りだことなりました。
幼少期から卓越した度胸とリズム感を誇っていた彼ですが、転機となったのは2011年公開の是枝裕和監督映画『奇跡』への主演です。九州新幹線全線開業を背景に、離れて暮らす兄弟の絆を描いた同作で、前田航基は演技未経験に近い状態でありながら、作劇を感じさせない極めて自然体な表現を披露。映画関係者から「天性のスクリーン適性」と絶賛され、後の俳優人生を決定づける契機となりました。
思春期を迎える過程で、多くの元子役が「かつての面影」と「大人の身体」のギャップに苦しむなか、前田航基は無理にイメージを飾ることなく、素朴で親しみやすい等身大のキャラクターを自らの強みへと昇華させていきました。