池上遼一の足跡を語る上で欠かせないのが、名原作者たちとの伝説的な共闘だ。小池一夫とのコンビネーションで培われた強烈なキャラクター造形論と、武論尊と作り上げた不朽の名作『サンクチュアリ』。光と影、表社会と裏社会から日本を変革しようとする浅見と北条の生き様は、バブル崩壊前後の日本社会に強烈な楔を打ち込んだ。
武論尊の熱く骨太なシナリオに対し、池上は息を呑むほど端正な線で応えた。劇画というジャンルが持っていた土着的な泥臭さを洗練されたスタイリズムへと変貌させ、青年漫画の表現域を一気に拡張した功績は計り知れない。