小麦粉による洗浄を終えた後、次なる関門となるのが加熱工程です。検索市場でも関心が高い「もつ鍋の下茹では何分が適正か」という問いに対し、調理のプロフェッショナルが提示する結論は「沸騰した湯で45秒から最長1分30秒以内」です。
牛の白モツに含まれる良質な不飽和脂肪酸は、約40℃〜50℃の温度帯から溶融が始まり、80℃以上の熱湯に浸け続けると急速に液状化して湯の中に逃げていきます。下茹での本来の目的は「肉に火を通すこと」ではなく、「皮の表面にあるタンパク質を熱変性させてアクを凝固させ、脂の断面をコーティングすること」にあります。
もつ鍋の脂を残す下処理の具体的ステップは次の通りです。
1. たっぷりの湯を完全に沸騰させ、ホルモンの下処理用として酒大さじ3と薄切り生姜1片を投入する。
2. 水気を切った牛モツを一気に入れ、強火を維持したまま菜箸で軽くほぐす。
3. 再沸騰してから45秒〜60秒(大ぶりのモツなら90秒)で即座にザルへ引き上げる。
4. 引き上げたら冷水に浸けず、バットの上に広げてうちわや粗熱で一気に冷ます。
ここで冷水に浸けてしまうと、急激な温度変化で脂が固まり、表面に余計な水分を抱え込んでスープを薄める原因になります。ザルにあげて自然に蒸気を飛ばすことで、表面が引き締まり、旨味が内部に凝縮されます。