半世紀以上前の大ヒットドラマであるため、ネット上では「出演者は今どうしているのか」「訃報を聞いたが詳細はどうだったのか」という関心が絶えません。ここでは、サインはVのキャストの現在について、1人ひとりの人生ドラマを紐解きます。
朝丘ユミ役・岡田可愛の現在|アパレル実業家としての躍進と健康秘話
猪突猛進でありながら情に厚いヒロイン・朝丘ユミ役を熱演した岡田可愛。彼女は1960年代から東宝の「青春学園シリーズ」などで活躍していましたが、本作の主演によって国民的スターの座を不動のものにしました。
芸能界で息の長い活躍を続けた後、岡田は実業家としても顕著な手腕を発揮します。自身が立ち上げたアパレル・服飾ブランドのプロデュースを手がけ、テレビショッピング番組「QVC」などに自ら出演。明るく誠実な語り口で多くの固定ファンを獲得し、年商数十億円規模のビジネスを動かす成功者となりました。
長男の岡田亮輔も舞台やミュージカルで活躍する俳優へと成長。私生活の充実とともに、近年も回顧特番やトークイベントで当時の壮絶な現場を笑顔で振り返るなど、70代後半を迎えた現在も若々しく健在です。
牧コーチ役・中山仁の訃報と晩年|名優が貫いたダンディズムと最期
「コートの中では鬼になれ」の言葉で選手たちを厳しく鍛え上げた牧圭介コーチ役の中山仁。端正な顔立ちと野太い低音ボイス、冷徹さの裏に選手への深い愛情を秘めた指導者像は、当時の世の女性だけでなく青少年たちをも魅了しました。
その後も『ウルトラマン80』のオオヤマ隊長役や、ドラマ・映画・舞台で重厚な存在感を放ち続けた中山ですが、晩年は健康問題と静かに向き合っていました。2019年10月12日、東京都内の自宅で肺腺がんのため77歳で逝去。本人の「静かに旅立ちたい」という遺志により、葬儀は近親者のみの家族葬として執り行われ、訃報は死から約1か月が経過した11月中旬に公表されました。生涯を通じて私生活を派手にひけらかさず、二枚目俳優としての矜持を貫いた旅立ちでした。
ジュン・サンダース役・范文雀の早すぎる別れ|劇中死と重なる壮絶な生涯
日米ハーフの長身選手として登場し、冷徹な一匹狼からユミ無二の相棒へ、そして骨肉腫で右腕切断の危機と戦いながら命を落とすジュン・サンダース。この悲劇のヒロインを圧倒的な気迫で演じきったのが范文雀でした。
エキゾチックな美貌と繊細な演技力で、ドラマ放送後は大人の女優へと脱皮。『プレイガール』や数々の名作サスペンスで唯一無二のポジションを築き、1970年代から90年代の映像界に欠かせない名バイプレイヤーとして活躍しました。
しかし、病魔は突如として彼女を襲います。2002年11月5日、悪性リンパ腫のため54歳の若さで逝去。劇中で不治の病に倒れたジュン・サンダースの姿と現実の早すぎる死が重なり、往年のファンやドラマ関係者に深い喪失感を与えました。彼女が見せた孤高の輝きは、今なおファンの心から消えていません。
もう一人の朝丘ユミ・坂口良子と立木大和の仲間たちのその後
1973年にリメイク制作された第2作で、2代目の朝丘ユミを演じたのが当時トップアイドル的人気を誇っていた坂口良子でした。愛くるしい笑顔と抜群の表現力で人気を博し、その後も『前略おふくろ様』や『池中玄太80キロ』など昭和を代表する名作ドラマのヒロインを歴任しました。
しかし坂口もまた、2013年3月27日に横行結腸がんと肺炎のため57歳で早世。プロゴルファーの尾崎健夫との再婚からわずか数か月後の急逝であり、日本中に大きな衝撃が走りました。
一方で、立木大和のチームメイトを演じた女優陣は力強くそれぞれの人生を切り拓いています。キャプテン・松原かおり役を演じた岸ユキは、ドラマ終了後に『元祖どっきりカメラ』の司会などで親しまれ、現在は書家や環境・農業問題に関する講演活動など多彩な顔を持ち健在。ライバル・椿麻理を演じた中山麻理も、テレビや舞台で長年活動し、息子たちを芸能界へと送り出しました。