一の俣桜公園が多くの人々を惹きつけてやまない最大の理由は、水中に佇む水没林と、水面下を優美に漂う鯉のコントラストが生み出す非日常性にあります。この池は砂防ダム建設に伴って生まれた人工的な水辺環境ですが、水没した樹木が長い歳月をかけて立ち枯れの状態となり、独特の造形美を形成しました。
特筆すべきは、上流の一の俣川から流れ込む清冽な伏流水の存在です。砂防池にありがちな泥の沈殿や濁りを防ぎ、極めて高い透明度を維持しているため、水中深く根を張る枯木と水底の砂地が肉眼でもクリアに視認できます。この澄んだ水底を背景に、地元有志や管理者によって放流された色鮮やかな錦鯉が泳ぎ抜けることで、水面と水中の境界線が曖昧になる「浮遊感」が生まれます。
現地を訪れた写真愛好家は、特有の現象についてこう証言します。「晴天の無風時にPL(偏光)フィルターを通して水面を覗き込むと、空の反射が完全に消え、錦鯉がまるで空中を飛行しているかのような錯覚を覚えます。この特異な視覚体験こそが、山口県 絶景スポットの中でも屈指の評価を獲得している核心です」。