摩擦力でもビクともしない超頑固な瓶には、内圧と外圧のバランスを崩す戦略が効く。フタとガラスのわずかな隙間に、食事用スプーンやバターナイフの先を差し込み、テコの原理で外側へクッと軽く押し広げる。その瞬間、「パコッ」あるいは「シュッ」という小さな吸気音が響く。密閉が解けたサインだ。あとは指先ひとつで、まるで嘘のようにフタが回転する。
ただし、ここで絶対に避けなければならない悪手がある。鋭利な包丁の刃先を隙間にねじ込んだり、金属のフタをシンクの角や大理石のカウンターに激しく叩きつけたりする行為だ。ガラスの目に見えないマイクロクラック(微小なヒビ)を誘発し、最悪の場合、回した瞬間にガラス瓶ごと粉砕して大怪我につながる恐れがある。また、瓶全体を電子レンジで加熱するのも厳禁。金属フタによるスパークと内部破裂の危険を孕んでいる。