相場が高騰すれば、当然ながら悪質なコピー品業者の標的となる。現在フリマアプリや海外オークションサイトには、一見しただけではプロでも判別が困難な「スーパーコピー(N級品)」が無数に出回っている。そこで、真贋鑑定の最前線に立つ現役鑑定士の協力を得て、クロムハーツパーカー本物と偽物の真相および決定的な見極めポイントを整理した。
鑑定士がアイテムを手にした際、真っ先に指先とルーペで確認するクロムハーツパーカー偽物の見分け方は、以下の4箇所に集約される。
① 洗濯表示の内タグと「クロムハーツジャパン代理店タグ」のフォント
日本国内正規品には、必ず「クロムハーツジャパン有限会社」または「クロムハーツジャパン株式会社」と記載された代理店タグが縫い付けられている。偽物は、日本語フォントの明朝体・ゴシック体のバランスが不自然であったり、「ツ」「シ」などの文字の払いに違和感がある。また、タグの端の処理が雑で、ほつれ止めが甘いものが多い。さらに近年導入されたマイクロコード(極小バーコードタグ)の印字精度は、偽物では潰れてスキャンできないケースが多発している。
② ダガージッパーおよびシルバーパーツの「燻し(いぶし)」と重量
ジップアップモデルに付属するシルバー925製のダガーチャームは、偽物を見破る最大の急所だ。本物はしっかりとした銀の比重があり、手で持った際にずっしりとした冷たさと重みを感じる。一方、フェイク品は亜鉛合金や真鍮にシルバーメッキを施していることが多く、明らかに軽い。また、刻印の溝に施された燻し加工の深さ、文字のシャープさにおいて、本物は彫りが均一で美しい陰影を描くのに対し、偽物はエッジが甘く丸みを帯びている。
③ ホースシューバックプリントのインク浸透度と発色
象徴的なホースシューバックプリントにおいて、本物はヘビーオンスコットンの生地目に対してインクがしっかりと馴染み、適度な沈み込みを見せる。一方、安価な偽物はシルクスクリーンのラバーインクが生地の上に厚く乗りすぎており、プラスチックのようなテカリや不自然な凹凸が生じている。数回の洗濯でひび割れや剥がれが起きるのもフェイク品の特徴だ。
④ リブのテンションとフードの立ち上がり
見落とされがちだが決定的なのが、スウェット自体の「縫製と生地密度」である。本物のクロムハーツパーカーは、カリフォルニアの自社工場等で編み立てられた非常に高密度な米国製コットンを使用しており、フードが首元でしっかりと自立する。偽物は生地が薄く、フードを被っていない状態だとペタッと背中に潰れてしまう。