客の9割以上が注文するのは、看板メニューの「げんこつハンバーグ(250g)」、あるいは一回り小さい「おにぎりハンバーグ(200g)」だ。まん丸に成型された牛肉の塊が、備長炭の強火で表面だけを一気に焼き固められた状態で運ばれてくる。
テーブル担当のスタッフが大きなナイフで真っ二つに割り、熱々の鉄板へ力強く押し付ける。ジュウゥッという耳をつんざく轟音。飛び散る脂。紙ナプキンを胸元まで持ち上げて身を守る客たち。この一連の儀式を終えた肉の断面は、鮮やかな赤色を保っている。
オーストラリア産指定牧場の牛肉を100%使用したパティは、つなぎを一切使わない。噛みしめるほどに肉の繊維がほどけ、野性味あふれる旨味が舌を直撃する。極秘レシピで作られる淡路島産玉ねぎベースの「オニオンソース」が、肉汁と混ざり合って焦げる瞬間、人間の食欲は完全に制圧される。