会話のない状態を「喧嘩をするよりはマシ」と諦めて放置していると、夫婦関係は確実に形骸化していきます。その典型的な行き着く先が仮面夫婦や家庭内別居です。
仮面夫婦の特徴は、外向けには円満な夫婦を演じつつ、一歩自宅に入ると完全な冷戦状態が続く点にあります。子どもの教育や世間体を保つために婚姻関係を維持しているものの、お互いの心は完全に離れ、感情の共有は一切行われません。
さらに悪化すると、食事や寝室を完全に分ける家庭内別居へと移行します。お互いに干渉しないことで一時的な平穏は保たれますが、情愛の再生は極めて困難になります。法的な観点からも、長期間にわたる会話の断絶や家庭内別居は「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚事由(婚姻関係の破綻)と認められるリスクを孕んでいます。沈黙を放置することは、静かに離婚へのカウントダウンを進めているのと同義です。