ファッション界の頂点を極めた加藤が次の一歩として踏み出したのが、銀幕の世界だった。1988年、映画『マリリンに逢いたい』で本格的に俳優デビューを果たす。
実話をベースにしたこの作品で、彼は犬の飼い主である青年役を好演。モデル出身という肩書に対する周囲の偏見を、迫真の演技で見事にはねのけた。同作での瑞々しくも存在感あふれる演技が評価され、第12回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。スクリーンに映し出される彼の表情には、単なる二枚目俳優の枠に収まらない重厚な陰影が宿っていた。単に顔が良いだけではない。画面を圧倒する「スクリーン・プレゼンス」を持つ男として、映画界にその名をとどろかせた瞬間だった。