グラビアから女優への完全なる脱皮を印象づけたのが、成島出監督による傑作ヒューマンドラマ『八日目の蝉』だ。誘拐犯の女に育てられた過去を持つルポライター・千草役を演じた彼女の演技は、観る者の胸を抉るほどの迫力を放っていた。
この作品で彼女は、第35回日本アカデミー賞優秀助演女優賞をはじめ数々の映画賞を総なめにする。日本映画界は、彼女がただのグラビア出身タレントではなく、人間の複雑な感情の揺れを全身で体現できる稀有な表現者であることを認めざるを得なくなった。自らの身体性やイメージを飾らず、役柄の生々しさをさらけ出す姿勢は、映画関係者から絶大な信頼を勝ち取るきっかけとなった。