豪雨の中でいくら高機能な傘を開いても、ズボンや靴がびしょ濡れになってしまう。その最大の原因は「傘の角度」にある。多くの人は無意識に傘を垂直に立てがちだが、雨粒は風の影響を受けて斜め上から吹き付ける。濡れないための基本原理は、風上に向かって傘を15度から20度ほど傾けることだ。これにより、風圧で傘が煽られるリスクを抑えつつ、身体の前面に生じる雨の侵入経路を塞ぐことができる。
一方、真夏の直射日光を遮る日傘の場合、角度の決め方は時間帯によって変化する。太陽が真上にある正午前後であれば頭上に垂直で問題ないが、朝方や夕方は太陽の高度に合わせて斜めに傾ける必要がある。特に見落とされがちなのが、アスファルトからの照り返しだ。傘の裏地が黒やネイビーなどの暗色でない場合、地表から跳ね返った紫外線や赤外線が傘の内側で反射し、顔周りに集熱してしまう。熱中症対策を徹底するなら、「表は白かシルバー、裏は黒」の配色を選び、直射日光と照り返しの双方を遮断する裏ワザが極めて有効だ。
また、混雑した街頭でのマナーも忘れてはならない。差した傘の先端が周囲の人の目線に入ると危険が及ぶ。すれ違う際には、お互いに傘を外側へと少し傾けて干渉を避ける配慮が、都市でのスマートな振る舞いとして求められている。