本作の緊迫感を支えているのは、主人公を取り巻く「メディア」「警察」「容疑者家族」という3つの陣営が複雑に絡み合う構造です。報道被害者遺族でありながら現役警察官という二重生活を送る主人公・中村慶介(早川慶介)を軸に、欺瞞と疑心暗鬼が交錯する人間ドラマが緻密に設計されています。
主人公のFINAL CUT 亀梨和也演じる慶介は、表向きは新宿中央署の爽やかな警察官として振る舞いながら、裏では母・恭子(裕木奈江)を死に追いやったワイドショー『ザ・プレミアワイド』の制作スタッフたちを監視し、致命的なスキャンダル動画を握ることで従属させていきます。慶介を支える唯一の相棒が、幼馴染のシステムエンジニア・野田大地(髙木雄也)であり、彼らのハッキング技術と情報収集力が復讐の実行基盤となっています。
対峙する報道陣営の頂点に君臨するのが、FINAL CUT 藤木直人演じる洗練された司会者・百々瀬塁です。圧倒的な話術と大衆心理の掌握術を持ち、「視聴者が求める物語」を捏造することに一切の躊躇がありません。その足元には、スクープ至上主義のディレクター・井出正弥(水野美紀)、良心と出世の間で激しく揺れ動く若手ディレクター・FINAL CUT 林遣都演じる小池悠人、カメラマンの皆川義和(やついいちろう)、保身に走るプロデューサー・井澤賢矢(杉本哲太)が配置され、組織の歪みを体現しています。
警察組織内部では、慶介の上司であり理解者の顔を見せる副署長・FINAL CUT 佐々木蔵之介演じる高田清一郎が存在感を放ちます。高田は12年前の事件の初動捜査に関わっており、慶介の正体を把握しながらも独自の目的で動くため、敵か味方か判然としない不気味さを漂わせます。
そして物語の核心に位置するのが、事件の鍵を握る小河原姉妹です。心優しき美術館学芸員の姉・FINAL CUT 栗山千明演じる小河原雪子と、奔放で感情の起伏が激しい妹・FINAL CUT 橋本環奈演じる小河原若葉。慶介は身元を偽って2人に接近しますが、妹の若葉は慶介に激しく依存し、姉の雪子とは復讐心を超えた魂の共鳴が生まれてしまうことで、FINAL CUT 相関図は愛憎がもつれ合う極限の心理サスペンスへと変貌を遂げました。