本作の基本プロットは、不動産詐欺によって二重契約されたひとつのマンションに、高校生の菜緒と久志が家賃折半のために秘密の同居を始めるというクラシカルな設定から幕を開けます。少女漫画的な王道のシチュエーションでありながら、単なる記号的な胸キュン描写にとどまらない奥行きを持っています。
シーズン1では、周囲に同居がバレてはならない緊張感と、久志の元家庭教師であり義姉でもあるゆりへの未練、そして大地やいっちゃんら周囲の想いが交錯。菜緒の純粋さと直情的な献身が、次第に心を閉ざしていた久志の頑なな防壁を溶かしていきます。終盤での別れの危機を乗り越え、二人が高校生活の節目でお互いの想いを正式に確かめ合う結末は、視聴者に強いカタルシスを与えました。
続くシーズン2『our campus days』では舞台を大学へと移行。キャンパスライフ特有の人間関係の広がり、将来への進路不安、そして新たな魅力的なライバル・夏目柊の登場によって、高校生時代とは異なる「大人への過渡期におけるすれ違い」が克明に描かれました。久志の研究室通いによる多忙、菜緒の孤独感と劣等感など、自立した個人同士としての関係構築という現実的な心理葛藤を乗り越え、二人が再び強固な絆を結び直す幕切れとなっています。