なぜ大ヒット?ドラマ『炎の犬』主題歌サンセット・メモリーの真相と杉村尚美の今

なぜ大ヒット?ドラマ『炎の犬』主題歌サンセット・メモリーの真相と杉村尚美の今

なぜ大ヒット?ドラマ『炎の犬』主題歌サンセット・メモリーの真相と杉村尚美の今とは一体何なのか? 専門的な分析を簡潔に解説します。

ドラマの劇的な展開と車の両輪となり、視聴者の情緒を極限まで高めたのが、炎の犬の主題歌である「サンセット・メモリー」です。作詞・竜真知子、作曲・鈴木キサブロー、編曲・若草恵という当時の歌謡界のトップクリエイターが集結した本作は、1981年1月25日にリリースされるや否や瞬く間にチャートを急上昇し、オリコン週間チャートで最高4位、約46万枚のセールスを叩き出す昭和ヒット曲となりました。

この楽曲がこれほどまでに人々の心を捉えた最大の要因は、サンセット・メモリーの歌詞の意味とドラマの映像世界が完璧なシンクロニシティを果たしていた点にあります。「夕陽が沈む街並み」「遠く去りゆく大切な面影」「決して帰らない時間を惜しみながらも歩みを止めない切なさ」を描いたリリックは、夕暮れの山並みや荒野を傷だらけで歩き続けるリュウの孤独なシルエットと見事に重なり合いました。

音楽評論筋の分析によると、鈴木キサブローによる切なさを湛えたマイナー調のフォーク歌謡メロディと、若草恵が手掛けたストリングスアレンジの美しさが、日本人の心の琴線に触れる「もののあわれ」の美学を刺激したと指摘されています。愛犬が夕陽を見つめながら家族を思う切なさと、家で愛犬の無事を祈る家族の思慕が、夕暮れ(サンセット)という哀切の情景の中で美しく昇華されたからこそ、40年以上を経た今も涙腺を刺激し続けるのです。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。