日本相撲協会が公認する年寄名跡「北陣」の起源は、江戸時代中期にまで遡ります。仙台藩・伊達家の江戸屋敷における「北の陣屋」に仕えていた抱え力士に由来すると伝えられており、古くから格式ある名跡として角界で重用されてきました。
大相撲の歴史において、年寄名跡は単なる指導者の肩書にとどまらず、相撲部屋の経営権や協会の議決権を持つ「無形文化財的資産」としての側面を併せ持ちます。北陣名跡もまた、時代ごとの名大関や技巧派関脇が代々襲名し、力士の技術指導や審判業務を通じて相撲道の厳格な規律を伝承する役割を果たしてきました。