昨今のDIYブームに伴い、ホームセンターや通信販売で長尺シートを購入して自力施工を試みるケースが見受けられます。しかし、内装仕上げの専門業者の見解としては、長尺シートのDIY施工は極めて難易度が高く、推奨されません。
その理由は3点に集約されます。
- 重量と裁断の難しさ:長尺シートは1本あたり50kg〜80kg以上の重量があり、ロールの搬入や位置合わせだけで成人複数人の労力を要します。またシート自体が硬質であるため、専用の大型カッターやフック刃を用いなければ綺麗な直線切りや役物加工ができません。
- 専用接着剤のオープンタイム管理:エポキシ樹脂系やウレタン系の2液混練型接着剤は、気温や湿度に応じて適切な「オープンタイム(塗布後の待ち時間)」を見極めなければ、接着不良や初期剥がれの原因になります。
- 熱風溶接機などの特殊工具:目地を完全に密閉する溶接棒の溶融には、温度調整が可能な専用熱風溶接機、V溝カッター、スパチュラ(余剰溶接棒の削ぎ落とし刃)などのプロ用工具が必要であり、道具を揃えるだけで数万円以上のコストがかかります。
室内の一室にクッションフロアを敷く感覚で着手すると、下地の不陸を拾って凸凹になり、端部からめくれて高価な材料を無駄にする結末に陥るリスクが極めて高い建材です。