事件の風化を食い止めようとする動きは、メディアやネット空間でも激しさを増している。テレビ報道の現場では、『報道特集』などの調査報道番組が幾度も現地取材を重ね、遺族の消えない苦しみと逃亡犯の不可解な生態を検証してきた。
同時に、YouTubeやTikTok、X(旧Twitter)をはじめとするソーシャルメディア上では、未解決事件ドキュメンタリーとして本件を取り上げるクリエイターが急増した。容疑者の過去の言動、交友関係、特異な行動パターンを分析する動画は数百万回再生を記録し、一般市民による「ネット捜査班」とも呼ぶべき監視の目が全国に広がっている。
しかし、ネット上の拡散は両刃の剣でもある。「似た男を見た」という情報が全国から殺到する一方で、悪質なデマや無関係な一般人を容疑者と決めつける誹謗中傷も多発した。真実味のある有力情報が、膨大なノイズの中に埋没してしまうという現代特有の捜査攪乱が生じていることも否めない事実である。