南三陸ホテル観洋を象徴するもう一つの大きな柱が、毎朝運行されている「語り部バス」です。東日本大震災の発生直後、同館は高台に位置していたことから奇跡的に津波の直撃を免れ、約600名の被災者を受け入れる避難所兼医療拠点として地域を支え続けました。
「震災の記憶と命を守る教訓を風化させてはならない」という強い使命感のもと、ホテルスタッフ自らが語り部となり、町内の被災エリアや震災遺構を案内するバスツアーを実施しています。
案内ルートには、ホテル観洋グループが民間遺構として保存している「高野会館」が含まれます。津波が屋上まで迫る中、スタッフの機転と避難誘導によって宿泊客・地域住民ら327名と犬2匹の命を守り抜いた現場を前に、語り部が紡ぐ生々しい体験談と命の尊さは、乗車したすべての人の胸を深く打ちます。教育旅行や企業の防災研修としても国内外から高い関心を集めています。