馬酔木とは?猛毒の危険性と名前の由来・奈良の鹿が避ける理由

馬酔木とは?猛毒の危険性と名前の由来・奈良の鹿が避ける理由

馬酔木とは?猛毒の危険性と名前の由来・奈良の鹿が避ける理由について分かりやすく解説いたします。最新の情報をチェックしてください。

馬酔木の美しさに隠された最大の注意点が、全草(葉、茎、花、実、樹皮、さらには蜜にまで)に含まれる有毒成分です。

主要な有毒成分は、ジテルペン化合物の「アセボトキシン(Asebotoxin)」や「グラヤノトキシン(Grayanotoxin)」、ロドホモキシンなどです。これらは細胞膜のナトリウムチャネルを異常活性化させ、神経伝達や筋肉の収縮を狂わせる強力な神経毒・痙攣毒として作用します。

人間や動物が誤って摂取した場合、以下のような中毒症状が段階的に現れます。

  • 初期症状:口腔内の痺れ、激しい嘔吐、悪心、腹痛、下痢、過度の流涎(よだれ)。
  • 重篤化時:血圧降下、徐脈(脈拍の異常低下)、歩行困難、筋力低下、呼吸麻痺、中枢神経の麻痺。

かつて日本では、この毒性を逆手に取った「効能」として、葉や茎を煮出した煎汁を天然の農業用殺虫剤やウジ殺し(衛生害虫駆除)として活用していた歴史があります。民間薬としての経口利用は極めて危険であり、絶対に口にしてはなりません。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。