「料理酒は清酒の安いバージョン」と思われがちですが、両者には税法上および製造上の明確な境界線があります。
酒税法において、そのまま飲用できる清酒には酒税が課されます。一方、スーパーの調味料売り場に並ぶ一般的な「料理酒(加塩料理酒)」は、飲用できないように塩分を約2〜3%(海水と同等の塩辛さ)添加する「不可飲処置」が施されています。これにより酒類ではなく「食品・調味料」扱いとなり、酒税が免除されて安価に流通しています。
この事実を知らずに、料理酒で作る前提のレシピに対して「清酒」をそのまま置き換えると、料理全体の塩分が0.3〜0.5g程度不足し、「なんだか味がぼやけて物足りない」という現象が起きます。逆に、清酒指定の本格レシピに「料理酒」をドバドバ投入すると、塩辛くて食べられない仕上がりになってしまいます。この塩分の有無こそが、代用時に最も意識すべき核心部分です。