「予約が取れない店」としてのステータスは、どのようにして形成され、現在どう推移しているのでしょうか。その経緯を振り返ると、巧みな心理マーケティングと供給制約の連立が見て取れます。
発端は2010年代半ばから後半にかけてのテレビ特集や有名インフルエンサーによる拡散でした。「日本一予約が取れないサロン」「キャンセル待ち数十万人」というキャッチフレーズが報道されるたびに、一度は体験してみたいという新規顧客が雪だるま式に増加しました。しかし、同店の席数は店舗あたり十数席程度に限定されています。さらに、来店した顧客が帰り際に次回の予約を優先的に押さえられるシステムを採用しているため、全枠の大部分が既存リピーターで埋まり、新規向けに開放される一般枠は極めて狭き門となる循環が完成しました。
2026年の最新混雑状況を現場ベースで調査したところ、競合サロンが街中に乱立した現代においても、旗艦店である銀座店や原宿神宮前店、大阪心斎橋店の人気は依然として高止まりしています。土日祝日の日中帯や平日の18時以降といったゴールデンタイムは、WEB解放と同時に瞬時に埋まる状況が続いており、ふらりと訪れて施術を受けられる日はまだ先になりそうです。