日常の買い物で多くの人が抱く「緑色や赤色が濃い野菜はすべて緑黄色野菜」という認識は、栄養学的には正確ではありません。厚生労働省の基準定義によると、緑黄色野菜とは「原則として可食部100gあたりカロテン含量が600μg(マイクログラム)以上の野菜」と規定されています。一方で、この基準に達しない野菜全般を総称して「淡色野菜」と呼びます。
ここで重要なのは、判定の基準が「外皮の色」ではなく「可食部(食べる部分)に含まれるカロテン量」である点です。たとえば、キュウリやナスは外皮が鮮やかな緑や濃い紫色をしていますが、実際に食べる果肉部分のカロテン含量は600μgを大きく下回るため、淡色野菜に分類されます。逆にカボチャは皮を剥いた中の果肉に豊富なカロテンを含有しているため、文句なしの緑黄色野菜です。
このカロテン基準 600マイクログラムという数値は、1969年に当時の厚生省が制定した「食事摂取基準」の策定過程で定められた歴史を持ちます。単なる視覚的な識別ではなく、体内でビタミンAとして働くプロビタミンA(主にβカロテン)の供給源としてどれだけ価値があるかを定量化した指標となっています。