収容中の彼女を見つめ直させたのは、法務省が推し進める矯正教育のカリキュラムであった。ただ反省を強制されるのではなく、生きるための実利的な技能を叩き込む環境がそこにはあった。彼女は驚異的な集中力を発揮し、本をむさぼり読むようになる。文字通り読書狂と化した彼女は、施設内の図書館にあるあらゆるジャンルの書籍を破竹の勢いで踏破していった。
その熱量は具体的な資格取得という形で身を結ぶ。危険物取扱者乙種第4類をはじめ、高卒認定試験(旧大検)、さらには秘書検定や漢検、危険物関連の知識など、短期間で多数の難関資格を取得した。周囲の教官たちを驚愕させたこの学力向上劇は、彼女の中に眠っていた知性と、逆境を跳ね返す驚異的なバイタリティの証明でもあった。