エレベーターという閉鎖空間が引き起こすサスペンスの原点といえば、フランス映画界の巨匠ルイ・マル監督が手がけた名作映画『死刑台のエレベーター』を外すわけにはいかない。エレベーターに閉じ込められるという偶然の出来事が、完全犯罪の計画を容赦なく狂わせていくプロットは、世界中の観客を魅了した。
この作品以降、エレベーターは単なる移動手段ではなく、心理的逃げ場のない極限状態を作り出す舞台として、古典的な密室ミステリーの領域で重宝されてきた。機械的な不具合や突然の停電といった要素が、人間の隠された欲望や焦燥感を極限まで炙り出すのだ。