私的制裁の横行に対し、公的機関も強い危機感を表明している。警察庁は、一般市民による過剰な「犯人捜し」や街頭での私的検挙行為が、法秩序を脅かす重大なトラブルや冤罪を生む原因になっているとして、度重なる注意喚起を行っている。警察権力を伴わない一般人の独自の取り締まりは、かえって現場の混乱を招き、捜査の妨害になりかねないからだ。
また、日本弁護士連合会も、憲法が保障する適正手続き(デュー・プロセス)の観点から「ネット私刑」の人権侵害リスクを強く懸念している。裁判所による公正な判断を経ずに、ネット上の私的裁判によって個人の社会的地位やプライバシーを破壊する行為は、法治国家の根幹を揺るがす重大な問題であり、早急な法的・制度的対策が求められている。