メガホンを取った山崎貴監督の現場は、グリーンバックと最新技術の実験場でもあった。頭部が割れるパラサイトの造形や激しいワイヤーアクション。目に見えない敵や、後から合成されるミギーの動きを想定しながら演技を成立させる作業は、俳優陣にとって過酷を極めた。
前編から『寄生獣 完結編』へと進むにつれ、物語は全面戦争の様相を呈していく。阿部サダヲ演じるミギーの存在感や、浅野忠信演じる後藤との最終決戦など、VFXの迫力が増すほど、里美というキャラクターの存在意義は重くなった。山崎監督の緻密な絵コンテに対し、橋本はあえて計算を超えた感情の揺らぎを持ち込むことで、デジタル空間に血の通った息吹を吹き込んだのだ。