毎年初夏、霞が関の厚生労働省で開かれる中央最低賃金審議会。ここでの攻防が、日本中の労働者の秋以降の収入を左右する。公労使の代表が一堂に会し、物価上昇率や企業収益のデータを突き合わせながら深夜まで激論を交わす光景は、もはや恒例のドラマだ。審議会が答申した目安額を受け、最終的に各都道府県の地方審議会を経て厚生労働大臣への報告と正式決定が下される。
焦点となるのは、全国加重平均の引き上げ幅と大台到達のタイミングだ。政府が掲げる「全国平均1500円」の目標に向け、引き上げのピッチは年々加速している。例年通りであれば、8月上旬に目安がまとまり、各自治体での手続きを経て10月1日から順次、新たな賃金が発効するスケジュールだ。しかし、発効日当日のシフトから時給が即座に切り替わっている現場ばかりとは限らない。