地獄のぞきがこれほどまでに人々を恐怖させる最大の理由は、石切り場として切り出された「オーバーハング(せり出した岩盤構造)」にあります。展望台の下部がえぐれるように削り落とされているため、先端に立つとまるで空中に浮いているかのような錯覚(視覚的断崖効果)が生じ、脳が本能的に危険を察知して激しい恐怖感を覚えるのです。
しかし、その恐怖を乗り越えた先には比類なき絶景が広がっています。標高約329メートルの山頂からは、眼下に広がる金谷港や浦賀水道を行き交う大型船、対岸の三浦半島、そして気象条件が整った晴天の日には東京湾越しにそびえる富士山の雄姿を一望できます。特に空気が澄み渡る秋から冬にかけての午前中は、青く輝く海と雪化粧した富士山のコントラストが息をのむ美しさを見せてくれます。