この重厚な名台詞に命を吹き込んだのは、俳優の松田洋治である。『風の谷のナウシカ』でアスベル役を演じた実績を持つ彼が、スタジオジブリのアフレコ現場で宮崎駿監督から受けた指導には、知られざる裏話が存在する。
アフレコ当時、単なる二枚目キャラクターの甘い台詞として表現されることを恐れた監督は、松田洋治に対して「ロマンチックに囁くのではなく、魂の底から絞り出すように」と何度も要求を重ねたという。甘さを削ぎ落とし、生死の境目で放たれる切実さを追求したからこそ、四半世紀が経過した現代でも風化しない強靭な威信を保ち続けているのだ。