中国の箸はなぜ長く先端が丸い?円卓文化と知られざる禁忌の真実

中国の箸はなぜ長く先端が丸い?円卓文化と知られざる禁忌の真実

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箸の起源を探ると、古代中国の殷(商)王朝にまで遡る。韓非子の記述によれば、紂王が象牙の箸を作らせたことが記録されており、中国国家博物館に収蔵されている古代の青銅製や骨製の遺物は、調理や配膳用のトングのような器具から食事用へと進化していった道筋を示している。

儒教の開祖である孔子もまた、食卓の道具に深い影響を与えた。孔子は「君子は厨房を遠ざく」と説き、食卓に殺傷能力のある鋭利なナイフを持ち込むことを強く戒めた。肉をあらかじめ厨房で切り分け、食卓では平和的な箸のみを用いる習慣は、孔子の説く「仁」の思想と密接に結びついている。

名称の変遷も興味深い。古代には「箸(zhù)」と呼ばれていたが、明代の江南地方に暮らす船乗りたちの間で忌み言葉とされた。「箸」の発音が船が止まることを意味する「住(停滞)」と同音だったため、船が軽快に進むことを願って「快子(筷子)」と言い換えるようになったとされる。竹冠を冠した「筷子」という漢字は、水運の安全を祈る庶民の生活感情から生まれた言葉なのだ。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。