瀬尾幸子氏の名を一躍、出版界の伝説へと押し上げたのが、全国の書店員が選ぶ『料理レシピ本大賞 in Japan』における快挙です。2015年に『ラクうまごはんの基本』(新星出版社)で見事【料理部門 大賞】を獲得すると、2018年には『みそ汁はおかずです』(学研プラス)で再び【料理部門 大賞】を受賞。同一の著者が2度も頂点に輝く事例は極めて異例であり、業界内外に大きな衝撃を与えました。
彼女の提唱するレシピが従来の家庭料理と何が根本的に異なるのか、客観的な比較データをもとに分析します。
『みそ汁はおかずです』の画期的な点は、「みそ汁は脇役の汁物に過ぎない」という固定観念を根底から覆したことです。豚肉や鶏肉、厚揚げ、旬の野菜をこれでもかと鍋に放り込み、煮干し粉やかつお節をそのまま投入して煮るだけ。出汁を引く手間すら省きながら、栄養バランスと満足度を極限まで高めたこのアプローチは、仕事帰りで余力のない生活者に「これ一杯で今夜の食事は完了していいんだ」という計り知れない免罪符を与えました。