ネット検索で目にする「ICLで失明する」という衝撃的な噂ですが、ICLの失明リスクに関する噂の真相を医学的に検証すると、適切な衛生管理のもとで行われる現代の手術において失明に至る可能性はほぼゼロ(極めて稀な感染症などの例外を除く)とされています。現在報告されている重大な視力障害の主な要因は、術後の眼内炎(約0.01〜0.05%程度)ですが、術前後の抗菌点眼薬の徹底と清潔な手術環境によって予防可能です。
長期的な合併症として懸念されるICLの白内障・緑内障リスクについては、レンズの進化によって劇的な改善が見られます。かつての旧型レンズでは、眼房水の流れが滞ることで眼圧が上昇し緑内障を招いたり、水晶体に接触して白内障を誘発する恐れがありました。しかし、2014年以降に標準化された中央に小さな穴が開いた「ホールICL(KS-AquaPORT)」の登場により、房水の循環が維持され、白内障の誘発率は1%未満(0.5%前後)にまで激減しています。
国内外の大規模なICL手術の失敗確率データを見ても、重篤な後遺症が残る確率は極めて低く、世界80カ国以上・数百万眼以上の実績がその安全性を裏付けています。ただし、術後の自己管理(点眼の怠りや目を強く擦る行為)が感染症の引き金になることもあるため、術後の生活指導を遵守することが極めて重要です。