軍艦が掲げる旗は、単なる装飾ではない。国際法上の厳格な義務である。
国連海洋法条約(UNCLOS)第29条において、軍艦は「その国籍を有する軍艦であることを外部から明瞭に示す標識」を掲示することが義務付けられている。海上自衛隊の艦船にとって、艦尾に翻る自衛艦旗こそが、国際社会に対して「日本の正規の主権免除船艇」であることを法的に証明する唯一無二の身分証なのだ。
外務省の外交記録や各国の海軍史料が示す通り、アメリカ海軍やイギリス海軍をはじめとする世界各国の海上戦力は、寄港や共同訓練の場において自衛艦旗に対し国際標準の礼砲と敬礼を交わし続けている。公海上における自衛艦の法的位置づけは、世界の海洋秩序の中で確立された揺るぎない共通認識となっている。