デンマークの総人口は約590万人と、日本の兵庫県と同等規模に過ぎません。それにもかかわらず、なぜこれほど継続的に強豪国と渡り合えるタレントを輩出し続けられるのでしょうか。そこにはデンマークサッカー協会(DBU)が主導する構造的な育成モデルが存在します。
その根幹にあるのが「Den Røde Tråd(赤い糸)」と呼ばれる育成哲学です。年代別の代表からフル代表に至るまで、共通のプレースタイルや戦術コンセプト、メンタル教育を一貫して浸透させています。個々のフィジカルに頼るのではなく、スペースの認知、判断速度、味方との連動性を幼少期から叩き込むことで、代表チームに招集された直後から迷いなく機能する組織力を生み出しているのです。
また、デンマーク社会に深く根付く「ヤンテの掟(Janteloven)」に象徴される平等意識と集団への献身性が、エゴを排した強固なチームワーク(コレクティブネス)を形成している点も見逃せません。