夫妻の不透明な蓄財に決定的なメスを入れたのが、組織犯罪・汚職報道イニシアティブ(OCCRP)や国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)による国境を越えた調査報道だった。彼らが暴いた不動産リストは、欧州の高級リゾート地を網羅していた。
象徴的なのが、フランス南西部ビアリッツ近郊のアングレに位置するアール・デコ様式の豪邸「ヴィラ・スザンナ」である。数百億円規模とされる改修が施されたこの邸宅の購入者はオチェレトヌイ氏名義だったが、資金の出所は不透明極まりない。さらにスイスの高級スキーリゾートであるダボスの高級アパートメント、スペイン南部マラガ近郊のゲーテッドコミュニティに位置する豪華物件など、次々とダミー会社や親族名義を介した資産隠蔽工作が明るみに出た。フランス司法当局がヴィラ・スザンナの差し押さえに踏み切るなど、欧州各国の法執行機関も追及の手を緩めていない。