人力飛行機は、極限までの軽量化を求められる。木材や発泡スチロール、カーボンパイプなどで作られた機体は、風に対して極めて脆弱だ。特に琵琶湖特有の「比良おろし」と呼ばれる突風や、サーマル(上昇気流)は、経験豊富なパイロットであっても制御不能に陥ることがある。
水面への着水は一見安全そうに見えるが、時速数十キロで衝突すれば、コンクリートに叩きつけられるのと同等の衝撃が生じる。さらに、コックピットが水没した際、シートベルトや機体の歪みによって脱出が遅れれば、溺死の危険性もリアルに存在する。決して「水だから安全」というわけではないのだ。