第二次世界大戦後の混乱期、組織を壊滅の危機から救い、世界屈指の巨大組織へと昇華させたのが三代目組長・田岡一雄である。
田岡は、初代山口春吉や二代目山口登が築いた港湾事業と興行事業の二本柱を近代的な企業経営の手法で再編した。「甲陽運輸」などの港湾関連企業を設立し、実業と組織の境目を緻密にコントロールする手腕を発揮。戦後の混乱した神戸の街で治安維持の顔を見せつつ、全国の任侠組織との抗争や同盟を経て、圧倒的な支配力を確立していった。春吉が播いた小さな種は、田岡の時代に完全に巨木へと成長を遂げたのである。