平成のテレビ史において、『痛快!ビッグダディ』が残した足跡はきわめて大きい。林下清志を中心とする大家族の波乱万丈な日常は、テレビ朝日の名物企画として長年お茶の間を魅了した。そこには演出では到底生み出せない生の感情と、予想不可能な人生のドラマが溢れていた。
当時、番組内で見せた素顔や家族関係は、視聴者に強い印象を与えた。美奈子との出会いや別れ、子供たちの成長と独立など、目まぐるしく変化する環境の中で、家族の一員としてカメラと向き合い続けた体験は独特なものだった。家族ドキュメンタリー番組というジャンルが視聴率を稼ぎ出した時代、テレビ放送業界は一般人の私生活をエンターテインメントに昇華させる手法を極限まで追求していたと言える。