冷蔵庫から取り出してすぐに熱いフライパンへ放り込むのは、絶対に避けるべきアプローチだ。冷え切った肉を投入するとフライパンの表面温度が急降下し、熱が均一に伝わらなくなる。調理を始める30分〜1時間前には冷蔵庫から出し、肉の内部までしっかり室温になじませておく必要がある。
さらに議論を呼ぶのが「塩を振るタイミング」だ。ベストな選択肢は二つ。焼く直前に振るか、あるいは思い切って30分以上前に振るかである。直前に振れば表面の水分が浮き出る前に焼き始めることができ、表面がカリッと仕上がる。逆に30分前に振れば、塩の浸透圧で一度浮き出た水分が塩分とともに肉内部へ再吸収され、全体にしっとりとした下味が馴染む。中途半端な「10分〜15分前」に塩を振るのだけは避けたい。表面に浮き出た水分が熱を奪い、香ばしい焼き色がつきにくくなってしまうためだ。