結論から言えば、赤や紫に変色した芽はきわめて危険な状態を指し示している。ナス科植物特有の自然毒であるソラニンやチャコニン(α-ソラニン、α-チャコニン)が、その部位に極めて高い濃度で蓄積しているからだ。これらは神経系や消化器系に害を及ぼすステロイドグリコアルカロイドの一種であり、過剰に摂取すると吐き気、下痢、頭痛、激しい腹痛、最悪の場合は意識障害や呼吸困難を引き起こす。
芽が赤や紫に見える直接的な原因は、太陽光や蛍光灯の光を浴びたことで生成された植物色素アントシアニンである。品種固有の遺伝的形質でもあるが、重要なのは「アントシアニンが合成される光環境は、同時にソラニンやチャコニンの爆発的な増加を促進する環境と完全に一致する」という点だ。鮮やかな赤色は、じゃがいもが光のストレスに反応して毒素を大量生成した合図にほかならない。