シノン城に到着したジャンヌは、群衆の中に身を隠していた王太子を一目で見抜いたという有名な逸話を残しています。神学者たちによる厳格な貞潔検査と異端審査をパスした彼女は、軍事支援を取り付け、包囲されていた要衝オルレアンへと派遣されました。
1429年4月、白い甲冑に身を包み、自らの旗印を掲げてオルレアンに入城したジャンヌは、兵士たちの士気を劇的に向上させました。当時のフランス軍は連敗続きで絶望の淵にありましたが、信仰心に裏打ちされた彼女の突撃作戦により、わずか9日間で要塞を次々と奪還。包囲網を打ち破ったことで、彼女は「オルレアンの乙女」と称賛されることになります。
さらにジャンヌは、歴代フランス王が戴冠式を行う聖地ランスへの進撃を主張しました。敵勢力圏を突破してランス大聖堂を奪還し、1429年7月17日、王太子は正式にシャルル7世としてフランス国王に即位しました。この戴冠こそが、イングランド王によるフランス王位継承の正統性を根底から覆す、百年戦争最大のターニングポイントとなったのです。