この異様な空間を作り上げた張本人は、演出を手掛ける藤井健太郎氏に他ならない。視聴者が覚えた居心地の悪さは、すべて秒単位で計算された叙述トリックの序章に過ぎなかった。中盤以降、バラバラに散らばっていた不穏なピースが一気に噛み合い始める。
画面のテロップに隠されたアナグラム、過去回と全く同じ構図で繰り返されるセリフ、そしてあえて回収されずに放置された伏線の数々。真相が暴かれた瞬間、ネット上に広がったのは恐怖から感嘆への劇的な変化だった。「不気味さ」そのものをエンターテインメントへと昇華させる構造設計は、テレビというメディアの限界をあざ笑うかのような切れ味を誇っている。