お腹や太ももに貼るだけで皮下脂肪が燃焼する。この魅力的な主張に対し、最新の生化学的な検証は冷ややかな結論を下している。人間の皮膚はそもそも、外部からの異物侵入を阻止するための強固なバリア機能を備えている。角質層を突破して皮下組織や血流に到達できる分子には極めて厳しい制限があり、単にハーブエキスや燃焼系成分を塗布・貼付しただけで局所の脂肪細胞が減少することは生物学的に極めて不自然なのだ。
国際的な規制機関であるアメリカ食品医薬品局(FDA)は、過去にも「貼るだけで体重が減る」と謳う市販パッチ製品に対して警告状を複数回発出し、有効性と安全性の双方が実証されていない製品への注意を呼びかけてきた。日本国内においても厚生労働省の医薬品医療機器等法に基づき、医薬品としての承認を得ていないパッチが「脂肪燃焼」や「痩身」を標榜することは明確に禁止されている。
効果の有無だけでなく、見過ごせないのが皮膚トラブルと内臓への潜在的リスクだ。密閉性の高いパッチを長時間貼り続けることで生じる接触皮膚炎やかぶれは日常茶飯事であり、一部の海外製粗悪品からは未申告の医薬品成分や過剰な刺激物質が検出されるケースすら報告されている。痩せるどころか、重篤なアレルギー反応で皮膚科へ駆け込む羽目になる消費者が後を絶たない。